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新しい時間論としての占星学 
新しい時間論としての占星学

言語と科学以外の論理思考

現代に生きる私たちにとって、言語と科学だけが私たちの共通の思考単位であるという認識になっていて、これ以外の情報を得るためには、それ相応の謙虚な知的推理力が必要である。それによって初めて私たちは、この認識パラダイムに基づく情報以上のものを得ることができる。
 「どれ、占星術か。自分が今までに蓄えた科学と論理で読み解いてやろう」といった不遜な姿勢は慎むべきである。そんな時その人は自分が未知のものに挑戦する立場に立っていることに気がついていない。自分達の今まで蓄えた知識と論理で解けるはずだと思っているからである。

現代の私たちに残されている最大にして最強力な手段は芸術(芸術作品、芸術哲学)であるはずだったが、この、一般知識人が与しにくい分野でなくとも、たとえば法学のような分野であっても、十分に言語と科学以外の論理思考の必要性、実在性は問うことができるであろう。たとえば、人はどうして人を殺してはいけないのか、法律はどこまで人を殺す役割を担うべきなのかという究極の問いに対して、言語や数学で答えるすべを我々は知らないはずである。これらは、蓄積された教養とそれに基づき、そこから飛躍する人間全般に対する直感的判断以外では語ることができないからである。
 本来はこの分野は芸術哲学が担うはずだった。しかしニーチェ以後この流れは情けないことに潰えてしまった。
その意味では、「今こそ芸術哲学を!」と提唱したいところであるが、芸術作品分析も、西洋占星学同様、高度な知的解析力が必要である。もしこの分野に無用心に足を突っ込むと多くの知識人が自己の劣等感の隠蔽に腐心することになるかもしれない。(私たちは、著名な小説家や数学者が、自分がいかに芸術を理解しているかを人々に見せて煙に巻くところをあまりに多く目撃している。)

 芸術は人類が多大な時間的蓄積をもって築き上げてきた知的価値観である。それは独自のあり方で客観的で絶対的なものを有している。仮にこの文を読んでいるあなたがそれを理解してくださったとして、ではなぜ占星学なのであろうか。
 占星学は、人間が上記のような(言語や科学といった)共通認識ツールではついぞとらえきれなかった分野に切り込むツールである。というのも、人間は少なくとも今までのところでは「空間認識」しか認めていないからである。
科学ではほとんどの場合時間軸を切り離し、再現性を求め、並列比較の上で判断する。時間的概念が含まれる場合も、数学流のやりかたで客観視しマークする。しかしそれは、時間の分野を探求したのではない。単にナンバリングしただけである。これだけでは決して新しい視点は生まれない。こうして現在までにどこかに蓄積されている莫大な一卵性双生児のデータもいまだ活用され切ってはいない。占星学は、この意味でもっとも高度な時間論である。(その具体的構造については、説明はあとにしたい。)
一方現実の日常生活では、私たちは本当の高度な知的判断で成功した時は必ず「時間的認識」を意識的無意識的に利用している。人はそれを「直感」とか「非合理的知性」などと呼ぶ。しかし元をただせば、私たちの思考はすべて小さな飛躍の連続だったはずである。私たちはそれを忘れているのではないか。
 そしてその最大の手がかりが芸術への美意識である。西洋占星術学の最大の特徴は、人間の普遍的直感としての美意識を分類できることである。この段において、すでに占星学は、不思議なものでも運命的なものでもない。一個の非常に緻密な理論体系である。
 現在まで人類は、(芸術同様)占星学を理解するほどの知性を己の中に認めなかった。これが成就してこそ、人間世界への新しい理解への道がようやく開かれる。
 あなたが本当に芸術作品中の美意識を知的に咀嚼したとき、あなたの知的判断力は飛躍的に上昇するはずである。そしてその強力な体系化ツールとなるのが占星学なのである。



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