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西洋占星学でみるビートルズ10『マジカル・ミステリー・ツアー』 
『マジカル・ミステリー・ツアー』 - Magical Mystery Tour
 このアルバムは本来シングル盤とEP盤の寄せ集めだが、よくまとまっているので、ほとんど一枚のアルバムのように扱われることが多い。サイケデリック・サウンド真っ只中の作品群である。
「マジカル・ミステリー・ツアー」はダイナミックな上昇和音で作られたしっかりとした骨組みの上に音楽が成り立っている。「ラヴリー・リタ」をメドレーから独立させたようなこの作品は、マッカートニー作品の中でも最上質のものの一つだ。最初の管楽器のたなびき方ひとつとっても、並々ならぬ才能が大変な集中力をもって作り上げていることがわかる。双子座独特のダイナミズムが味わえる。「フール・オン・ザ・ヒル」そして「ユア・マザー・シュッド・ノウ」も美しい作品で、嫌いになれない。私は知名度が高い前者よりも、どこか繊細なところをさらけ出した感の強い後者のほうを偏愛する。「アイ・アム・ザ・ウォルラス」はレノンの作品で、こういう音楽は乙女座が強く入っていなければ書くことはない。このように乙女座というサインはグロテスクなものに対する感性をもっている。これはマッカートニーにはまったくない資質である。「ハロー・グッドバイ」は空疎な行進曲で私は面白みを感じたことがない。また、この曲は双子座のリラックスした気分のありかたをよく物語る作品となっている。ただそれはあくまで副産物にすぎない。作品内にこのように「双子座の気質が表れている」というような心理学的な分析は、芸術評論には本来ご法度である。(心理学で芸術は分析できない。)作品に反映させるのはあくまで創作者の「美意識」とその形式(形式感)であり、ふだんの生活でその人物がどのようなタイプであるか、どんな気分であるかといったことは一切関係がない。レノン作「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」は内容的にも構造的にも押しも押されぬ傑作である。愛想のよいメロディーは無視し、ただひたすら意識の本質を追求し、美意識の構造だけで曲を進行させてゆく。このように「一番大切なものしか見ない(見えない)」感性というものこそが、天秤座の美意識の最も発達したひとつのかたちである。この曲の裏面はマッカートニー作「ペニー・レイン」も酸味の利いた傑作で、アレンジが非常によく行き届いている。曲の冒頭のオクターヴ・ベースからして才気が感じられる。この2作品は実は「郷愁」というテーマでは共通のものがあるのだが、強烈に過去へと進行するレノン作品に比べると多少夢見がちで発想自体が凡庸である。曲の歩みもどこか緩慢で発展性がない。どこか「すでにあるもの」を一つ一つ語ってゆくような鈍さがある。メロディー自体もその点では、他の彼の作品の中にこれに勝るものがありそうな印象がある。「オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ」も有名で天秤座の変拍子が特徴だが、音楽的にはさほど見るものが少ない。
マジカル・ミステリー・ツアー

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