この時期をもって、サザンオールスターズの解説をひとまず終えたい。1985年という年は、ポピュラー音楽が、周囲の文化との接点を失い、その意味で一つの実質を失った年である。1980年のジョン・レノンの死、1983年のカレン・カーペンターの死はあまりに象徴的だった。もちろん、それ以降も「良い音楽」は作られ続けた。しかし、多くの批評家が気がついているように、ベートーヴェンの時代から綿々と続いてきた音楽の一つの感興構造はたしかに終わった、または途切れた。
サザンは1985年には大作
『KAMAKURA』を出して、三年間の活動休止に入る。この作品をもってサザンの第1期が終わった見るのが普通かもしれない。しかし音楽的には、私はこの作品をここに含める気になれない。これはすでに先述の個性を持つ1985年の作品であり、次の新しい時期に属する。
サザンは、一応、自分たちでその音楽コンセプト全部を創る、ビートルズから続いてきた「ロック・バンド」形式である。その点で、その他の才能あるソロ・アーティストよりもこの時代の退廃に対する免疫はあったと言ってよい。そして、この後も、基本的に単発的に傑作を生みだしてゆく。しかし、それはまた別の事情の話である。今回は、ここで終わりたい。
(ちなみに、私がこの時期のサザンの曲を選ぶとするならば、順に、C調言葉に御用心、忘れじのレイドバック、ごめんね、チャーリー、マチルダBABY、ラチエン通りのシスター、チャコの海岸物語、Let It Boogie、我らパープー仲間、夏をあきらめて、TO YOU、というところです。)