井伏鱒二は最近では
「黒い雨」と
「山椒魚」でしか知られていないようですが、それは残念ですね。
私は
井伏鱒二の作品が大好きで、ときどき就寝前に読んだりします。この人の作品は、水瓶座らしい(冬のサインらしい)、すっきりと形式感の整った文体が魅力で、文章もその精神も澄み切っています。そのさまが、とても水瓶座的なさわやかさをもっていて、とても好きです。
1898年2月15日生まれ。調べてみれば、太陽水瓶座、月射手座、水星・金星・火星水瓶座、木星天秤座、土星・天王星射手座、海王星・冥王星双子座、と
全部プラス星座で、しかも、火は射手座だけ!これは独特のさわやかさが出るはずです。これは、本質的に感情的に拘泥した表現形式を嫌います。
ようするにクヨクヨ型ではないのです。そんな人が
「黒い雨」のような作品を書く。すると、決して、直接被爆した一人の人をとりあげてその感情的苦しみをドラマチックに描写したりということはしません。もちろんこの作品にも悲惨な描写は多く出てくるのですが、それでもそれらは、一市民としての感情の抑制のきいたスタイルで描かれてゆきます。
今回の大震災でも、水瓶座の人たちが東京においては、のんきなまでに冷静に情報処理されていたのは印象的でした。
例えば、私のマンガ論でも紹介しているように、
水瓶座と天秤座は決してスポーツ根性ものを描きません。スポーツをテーマにしても
あだち充氏の
「タッチ」みたいになります。大仰な表現を嫌い、あくまで等身大であり、人間そのものから目がそれることはないのです。
戦争をあつかった小説はたくさんあります。(のちにふれる機会があることでしょう。)
親しみやすい漫画作品では、最近では
こうの史代氏の
「夕凪の街 桜の国」が話題になりました。彼女はまた別の風のサインである天秤座(この星座も、スポ根はゼロ!)で、月は射手座です。この作品も、原爆投下時の描写は最小限になっています。それよりも、その後の日常生活を描くことによって、原爆というものの意味を問うものとなっています。
作者の体験の仕方が違うとはいえ、魚座マンガ家の
中沢啓治氏の
『はだしのゲン』における苦悶にみちた直接的な表現とはいかに違うか実感されます。
こうした点でも
「黒い雨」こそまさに水瓶座的な小説と言えるのかもしれません。
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