東洋・西洋占星学研究の第一人者 上田きょうやの公式サイトです。

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奇書 の星座と飴村行 
三大奇書 といえば、
夢野久作 『ドグラ・マグラ』(1935年)
小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』(1935年)
中井英夫 『虚無への供物』(1964年)(初刊時は「塔晶夫」名義)
さらに竹本健治『匣の中の失楽』(1978年)を加えて、「四大奇書」と呼ぶことがあります。
 それぞれ大変おどろおどろしい内容なのですが、

夢野 久作(1889年1月4日 - 1936年3月11日)=やぎ座
小栗 虫太郎(1901年3月14日 - 1946年2月10日)=うお座
中井 英夫(1922年9月17日 - 1993年12月10日)=おとめ座
竹本 健治(1954年9月17日 - )=おとめ座


と、いかにもこのての作品を書きそうな星座がそろっています。

 最近読んだ作品で奇書と言えそうなのが、飴村行『粘膜蜥蜴』。
 これもまた強烈な作品です。この人の作品はたぶん全部読みました。
 ただこの方はまだ生年月日がわかりません。
 一見、乙女座的なエログロさを持ちますが、文章は実はかなりすっきりしていて、通常このような文体は秋か冬の星座の作家が書くものです。(乙女座はまだ夏の星座。通常、おとめ座作家の文体は、いろいろ詰め込もうとして緩くなります。飴村行の文体はそうではない)
 まあ、太陽か月のどちらかが形式感の強い星座にあれば、そうなりますから、ちょっと当てるのはまだ難しいかもしれません。好き嫌いのわかれる作品かもしれませんが、作者は実際には決して野卑な感性の持ち主ではありません。


粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)
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『もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ』 by 高橋由太 

 小説の類を読むときには、つい作者の星の配置を推測してしまうものです。太陽星座がなにであるかはもちろんのこと、月・金星・火星くらいまでは当てられます。キャラクターが立っている場合には、ヒロインなら金星、ヒーローなら火星はかなり簡単に当てられます。最近あまり読んでいなかったミステリー小説の類をいくつか読みました。その一つからご紹介です。

『もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ』内容(「BOOK」データベースより)
 江戸・本所深川で、献上品の売買を行う、献残屋の手代として働く周吉。彼はオサキという妖狐に憑かれたオサキモチであり、いつも懐にいるオサキに、恋に仕 事にと、やることなすことからかわれている。ある夜、辻斬りに襲われ、殺人も起きる中、店の一人娘・お琴がいなくなった。周吉はオサキモチの不思議な力を 使い、お琴を捜しに夜の町へ出て行く。おとぼけ手代と妖狐一匹の妖怪時代劇。・・・

 作者の高橋由太さんは、非常にすっきりとしてリーダブルな文体を持っています私は先に誕生日を知ってしまったので、当てたことにはなりませんが、太陽はてんびん座
 こんな時はいつもエフェメリスで調べたい気持ちをぐっと抑えて、先に作品を読んで、当てます。ついでに確認のためにもう一シリーズ『唐傘小風の幽霊事件帖』も見てみました。これで決定。月はみずがめ座。語り口は、明確な「形式感」があります。

あと、男性像をあらわす火星は、てんびん座。これは決定!
男性主人公の行動パターンが明らかにてんびん座なのです。周吉のハンサムだが優柔不断なキャラクター、さらに「唐傘小風の幽霊事件帖」こちらの主人公の伸吉も同様です。

 さらに女性像をあらわす金星は、おとめ座。(これはちょっといて座かなと迷いましたが。)お琴は美人で強気のキャラクター。でもこれだけで「ああ、それなら金星は火の星座だな」などと決めてはいけません。さらに『唐傘小風の幽霊事件帖』小風の、気ままでかなり濃い個性で決定。――おとめ座ですね。
「おとめ座だからオトメチック」などという解釈をしていたら改めましょう。おとめ座はかなり個性的です。

 西洋占星学は、人間の内面をみる学問です。興味のある方は、こうした作品分析から、占星学への感性を磨いてみてください。
 こうした分析には本当は音楽作品で行うのが一番的確で情報量も多いのですが、一般には難しいので、小説や漫画作品での分析がオススメです。
もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ (宝島社文庫)

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小林多喜二はいて座だった 
秋田のニュースです。
作家・小林多喜二が実はいて座だったことがわかりました。
今までてんびん座とされていましたが、それでもそれほど違和感がなく、単に統計的に処理していました。
今回、真実が確認されて良かったです。
以下、秋田魁新報より

「蟹工船」で知られる大館市生まれのプロレタリア作家・小林多喜二(1903?33年)の誕生日が、
一般に定着している「10月13日」ではなく、「12月1日」であることが、除籍謄本によって確認された。

確認したのは、多喜二のいとこの孫に当たる小林信義さん(56)=札幌市、医師。苫小牧市の
実家に保管されていた除籍謄本(1951年交付)を調べたところ「12月1日生」と明記されていた。

多喜二に関する著作物の多くが、母セキの記憶する「旧暦8月23日(新暦10月13日)生まれ」を
根拠としている。一方、多喜二は「蟹工船」の草稿ノートの最後のページに、自分の生年月日が
明治36(1903)年12月1日で、「両親は新暦を知らない人だった」と書いている。

信義さんは「セキは10月13日という日付をいつからか新暦だと勘違いし、この日付をさらに旧暦に
直して8月23日生まれと思い込むようになったのではないか」と推測する。

ソース
秋田魁新報 http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20120318h

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占星学でみる日本近代文学史65 高見順(水瓶座) 

高見順 1907年1月30日生まれ 太陽みずがめ座 月獅子座 金星射手座 火星蠍座

 『如何なる星の下に』は独特の饒舌体で、「おや、こんなものを水瓶座でも書くのか」と思いましたが、読んでいくと非常にヒューマンで人情味あふれる、しかも構成力のあるものとなっています。話が横道に逸れたり、浅草の町の描写を並べたり、途中で日記形式になったりと、自分の世界で遊んでいる感覚と当時の文化風俗描写が調和して書かれています。
こうした彼独特の饒舌体の源流となった『故旧忘れ得べき』は第一回芥川賞として川端康成(双子座)は強力に推したそうですが、石川達三(蟹座)の『蒼氓』がとっています。

 ちなみに、永井荷風(射手座)とはいとこ同士だったけれども互いに極めて険悪な関係だったとのこと。(星座とは関係ない)。タレント・エッセイストの高見恭子(山羊座)は愛人との間に生まれた娘で、死の2週間前に養女として入籍しています。


如何なる星の下に (新潮文庫)
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占星学でみる日本近代文学史64 プロレタリア作家と壺井栄(獅子座) 

 プロレタリアート文学作家で現代でも話題になる小林多喜二(天秤座1903年10月13日)は、第二十回でやってしましました。それ以外のプロレタリア作家というと、
徳永直(水瓶座1899年1月20日)、宮本百合子(水瓶座1899年2月13日)、葉山嘉樹(魚座1894年3月12日)、中野重治(水瓶座1902年1月25日)、佐多稲子(双子座1904年6月1日)といったところでしょうか。とにかく風のサインに多いのが特徴ですね。

 また『二十四の瞳』や『母のない子と子のない母と』の壺井栄(獅子座1899年8月5日)は、プロレタリア詩人の壺井 繁治(天秤座1897年10月18日―また風のサイン!)と結婚したので、プロレタリア作家の系列に加えられることがあるようですが、実際には、風のサインの理想主義というよりは、目の前の子供たちや生活を描き、現実とに根ざしていました。このあたりも非常に火のサインの獅子座らしいですね。


二十四の瞳 (新潮文庫)
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